(冷や汗?)もののサイナスリフト(副鼻腔内造骨処置)

 上顎の臼歯部を失いインプラントを希望される方は多いのですが、上顎洞(副鼻腔)が下方に張り出していてインプラントを入れるだけの十分な骨が無い場合があります。サイナスリフトは上顎洞の中に骨を造るための手術です。この技術を2002年にミシガン大学で学び、国内でも糸瀬正道先生や山道信之先生のオペを何度も九州まで行って見学させていただき、かれこれ20年以上が経ちました。今回のケースは骨内に太い血管が走っているのがCTで認められました。これを傷つけないように操作しなければなりませんでした。無事サイナスリフトが終わった後、歯根破折で抜歯した箇所にも造骨処置を行いました。当初恐れていた出血はさほどでもなく、胸をなでおろしました。

サイナスリフトの模式図
サイナスリフトの模式図で②は窓開けという操作です。
今回のサイナスリフト前のCT3次元構築画像。窓開けしたい部分に血管が走っていました。
上顎洞を内側から見た状態。事前に血管の走行を入念に確認します。
窓開け時は思ったほど出血はなく、通常通りの操作ができました。抜歯した痕の窪みにも造骨処置を行いました。
術前と術直後のレントゲンです。意図した造骨ができたと思います。
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