インプラント後の腫れや痛み

インプラントは痛いのかというのが、初めて受けられる方の心配事だと思います。
平成4年からの通算の経験上では、インプラント手術後、腫れや痛みがでやすいのは上顎よりも下顎です。インプラント1本であれば、腫れや痛みはでたことはほとんどありません。2本になると「痛み止めを1錠飲んだ。」とおっしゃる患者さんを何度か経験しました。3本以上になると「腫れや痛みが3日程度続いたが薬でなんとかおさえられた。」とコメントされた患者さんを経験しています。いずれも下顎のケースでした。
腫れや痛みが10日以上も続く場合には、骨のやけどが考えられます。この場合にはインプラントの撤去が必要です。骨のやけどはドリルと骨との摩擦熱で生じるものです。私は過去2例経験しています。いずれも一旦インプラントを撤去し、骨が回復してから再埋入させていただき、現在のところ問題は生じていません。やけどは骨が硬い下顎でおこる可能性があります。上顎では滅多なことではないと思います。
つい先日、下顎にインプラント3本埋入と造骨処置を同時に行ったケースでは、骨が硬くて、やけどが心配された症例でした。術後3日に「まだ痛いので、痛み止めがほしい。」と患者さんがいらっしゃった時はドキッとしましたが、幸い1週間後にはおちつて、こちらもホッといたしました。
副鼻腔(蓄膿症にかかるとここに膿がたまる)内に骨を造る処置がありますが(4月3日のブログ参照)、この場合には頬が3日~1週間程度腫れます。ある勉強会の話では「1ヶ月スイカのように腫れる。」と説明された先生がいましたが、私の所属しているIPOI近未来オステオインプラント学会のやり方では、そのような話は聞いたことがありませんし、私の患者さんでも経験がありません。ただ、やはり1週間程度の頬の腫れは覚悟しておいたほうが良いと思います。痛みはそれほどでもないようです。
どんなに簡単に思える症例でも、常に基本に返り、患者さんの骨を丁寧に扱いたいと思います。

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