「先生、俺を人間にしてくれ」

ホテル勤務をされていたというAさん(男性)。来院された時は67歳で既に退職されていました。開口一番おっしゃった事はタイトルにもある通り「先生、俺を人間にしてくれ」でした。お話を伺い拝見したところ、右側では大臼歯欠損があるのと上下の残存歯の咬み合わせがすれ違っていて全く噛めていない状況でした。

初診時の口腔内写真です。色々と問題を抱えていました。
初診時の模型です。これを使って、どういう咬み合わせを構築していくかシミュレーションすることになります。
Aさんの右側側面観です。大臼歯が無く奥の方は歯茎同士であたっていて、いかにも窮屈そうです。
模型を下から見上げた様子。上下の歯がすれ違って咬み合っていません。
模型を裏側から見た様子。喉の方から前に向かって見た様子です(口の中ではできない事で模型観察の利点でもあります)。やはり上下の歯がすれ違って咬み合っていません。

「全体的に治してほしい」との事でしたが、他にも色々問題を抱えている状況でした。

インプラントが既に4本入っていました。
主面から見ると咬み合わせた時に下の前歯が隠れてほとんど見えず、咬み合わせが低くなってしまっていることが伺われます。
下の歯です。欠損があり、前歯はジグザグした歯並びになっています。

模型を分析してみると患者さんの左側歯並びの上下的なラインが本来は真っ直ぐに近いのが理想ですが、波打ってしまっているのがわかります。

いよいよ治療のシミュレーションです。オリジナル模型をコピーして矯正やインプラントを入れるシミュレーションを行いました。技工士さんの手を介さず私が全て行っています。

オリジナルの状態です。下の前歯が隠れてほとんど見えません。
低くなってしまった咬み合わせをあげて、下の歯列矯正のシミュレーションを行ったところ
欠損部にインプラントを入れるためのシミュレーションです。

シミュレーションをもとに必要な個所に追加埋入しました。元々入っていたインプラントが炎症をおこしていたので、その処置も行いました。

初診時のレントゲン
追加で埋入したインプラントです。

インプラントの仮歯が入った時点で下顎の矯正を始めました。

術前
欠損部にインプラントを入れて矯正開始です。
前歯のジグザグがなくなり約4か月で矯正を終えました。

続く

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