総入れ歯と考古学

10月5日は、インストラクターとしてセミナーのお手伝いをしてきました。総入れ歯の人工歯を並べる実習だったのですが、これを評価していきます。受講生の先生方は結構食いついてきて教えがいがあります。

顎の形や大きさ、上下顎の位置関係、男女差、唇の張り具合、顔全体との調和などを総合的に考えて、蝋の上に人工歯を並べていきます。総入れ歯は、歯が全くない状態ですから、もともとの歯がどこにあったかを考えて、歯科医が入れ歯の人工歯の位置を決めなければいけません。さながら、発掘された恐竜の化石を、1個1個、全体の骨格に構築していく様に似ています。総入れ歯が、歯科治療の中では考古学と言われる所以です。恐竜は骨格から肉付きを想像しますが、総入れ歯は実際に患者さんがいます。どういった総入れ歯を入れるかのよって患者さんの表情は変わってしまいます。

実際、やってみると結構奥が深いもので、熟練した人でも悩む事は多々あります。しかし、歯が無かった人が、総入れ歯で、よみがえったかのような笑顔を見せて頂く経験は、何事にも代えがたいものがあります。

先日も、当院の患者さんで、新しい入れ歯を作ったところ、「術前より若返った」と喜んでいただけました。インプラントもそうでしょうが、総入れ歯もちゃんとできれば、多くの患者さんは満足していただけます。

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