東京の緊急事態宣言が解かれてしばらくたち、大手町にもだいぶ人が戻ってきているのを感じます。テレワーク継続の企業も多いためかコロナ前ほどではないにせよ、患者さんもだいぶ戻ってきている実感があります。12月は元々繁忙期とは言え、この状況下でありがたい限りです。今年は例年に比べてサイナスリフト(副鼻腔内造骨術)が多い年となりました。2002年、糸瀬正道先生、山道信之先生(お二人とも福岡県開業)のお陰でミシガン大学で短期で学ばせていただき、この技術の習得にいたることができました。何度も医院にオペ見学をさせて頂き、ちょっとしたコツを少しづつ学んだ日々が懐かしいです。その後もピエゾという超音波機械の登場で楽に手術が行えるようになっていますが、自分に一番合っていると思える手技をアレンジしながら今日に至っています。一番気を使うのは窓開けという作業です。生卵の殻を直下にある膜を破らないように窓状に取り除く練習方法があります。初めて行う前には生卵で100発100中成功する自信がつくまで繰り返してから、事に臨みました。また毎回手術前、模型上でCTを見ながら入念にシミュレーションを行っています。患者さんによって、また同じ患者さんでも場所によって骨の厚みが違ったり、思わぬ位置に血管が走っていたりします。これらを考慮しながら窓開けのデザインを考えていきます(写真の赤いライン)。様々な症例を手掛けることによって経験値が上がると共に、新たな患者さんを通して新たに学べることも少なくありません。
目次
コメント