貼物作り

 歯科医が歯科技工士に技工物のオーダーを出す時に口頭や書面では複雑な患者さんのケースではニュアンスを伝えるのに難しい場合があります。自分のイメージ通りに技工物ができてこない事も考えられます。私はこの記事の写真にあるような貼物を作る時は、作り方だけ院内の技工士に教わって自分で模型に蝋を盛り、プラスチックの仮歯に置き換える作業を行っています。恩師の先生から「歯科医もある程度の技工をしないと駄目だ。技工士のありがたみもわかる。」と過去に言われて以来、そうするようにしてきました。咬み合わせを最適なものにするには様々な知識や技術が必要になります。様々な考え方があります。私もまだまだわかっていないこと、会得していない技術があります。私は12月で65歳になります。歯科医人生の終盤と言えるかもしれません。今週末は矯正セミナー、来年初めに歯周外科セミナーに参加予定です。また8月から総合歯科臨床セミナーにも参加します。セミナー参加以外にも12月の初めには症例発表会が控えています。昔あった予備校のスローガンじゃないですが「日々是決戦」といったところでしょうか。

術前の患者さんの模型です。奥歯の欠損を長らく放置していたため、前歯に負担がかかり続け、大きくすり減ってしまい、咬み合わせが低くなっていました。
治療後の大まかな予想です。インプラントや被せ物で咬み合わせの再構築を行うことにしました。
ガタガタにすり減った前歯。大きく本来の形を損なていました。
蝋を盛って本来の形を再現します。欠損部のインプラントもシミュレーションしました。
シリコンのパテで型をとります。
シリコンが固まったら外し、模型上に盛った蝋を熱湯をかけて溶かして除去し、シリコンの内側にレジン(プラスチック)を流し込みます。シリコンを模型の元の位置に戻します。
レジンが固まるタイミングでシリコンを外し、出来上がった貼物です。
模型上に戻し微調整します。
最初の状態です。
この貼物を実際の患者さんに装着し様子をみてもらい、大丈夫であれば、この状態を基に本番の被せ物を作る工程に入っていきます。
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