厳しい競争社会を生き抜くのは並大抵のことではないかもしれない。フェイスブックを見ていると日本全国多くの歯医者が週末どこへやら状態で様々なセミナーに出かけているのがわかる。いま最先端と思われる技術も5年たてば、あたりまえになり、10年たてば多くの歯科医が手掛けるようになる。熟練も必要なのだが、一度学んだ技術に固執することは敗北への道なのだろう。はやっているラーメン屋は一度開発した味に固執することなく、常に新しい味を開発し、ちょっとづつ味を変えながら、客には「いつも変わらない味でうれしい」と言われるのがラーメン屋冥利なんだそうである。
今週末のセミナーはマイクロスコープを覗きながら根管治療をやるトレーニングであった。他のセミナーでは聞けなかった内容も盛りだくさんで有意義ではあったが、上野公園の桜満開がすぐ目の前にある会場で桜に一瞥もくれずに、ひたすらスコープを覗いてはミラーに映る左右反対の像に苦闘するという2日間であった。通常1年以上待ちの人気セミナーにキャンセルがあって滑り込めたのだから、桜云々よりもラッキーと思うべきだろう。
もう、講師も自分より若い人が多くなった。古い廃れた知識・技術を経ることなく、回り道せずに最先端技術を吸収力のある若い力で勝ち得るのだから自然な時代の流れであろう。しかし、懇親会では若いドクターから疎まれることなく、なんとなく仲良くなれてしまうのは、セミナーに参加するもう一つの楽しみである。まあ、時間とお金をかけて目的意識を持った人たちの集まりだから、世代を越えて相通じるところもあるのだろう。来月は咬み合わせセミナーのインストラクターを仰せつかっている。受講生を楽しませるような準備・勉強が必要だ。