風呂の中でjournal of Periodontologyを何気に読んでいると、ある記事が目にとまった。細胞間接着分子(癌の転移に関与しているといわれている)であるCD44という物質を唾液から採取することにより、歯周病のリスク判定に将来的に有効である可能性があるとの記事であった。喫煙者かつ歯周病罹患者、喫煙者だが歯周病でない人、非喫煙者かつ歯周病罹患者、非喫煙者で歯周病に罹患していない人の4郡に分けられ、エジプトのカイロ大学で調査が行われた。喫煙者で歯周病に罹患している場合は一番CD44の数値が優位に高く、歯周病の治療をすることによりこの値が下がったことが報告されていた。唾液採取は採血などに比べて患者の苦痛が少なく、慢性疾患である歯周病のリスク、治療後の客観的評価で有効であるならば、歯の健康を守る上で有用だ。しかし今のところ、医科の疾患に対する血液検査の数値のようなものは、歯科にはない。この手の研究が早く臨床応用されることを望んでいる歯科医は少なくない。そろそろイングランド対ドイツが始まるな。ではまた。
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