歯科の世界でもデジタル化の波が押し寄せて久しいが、未だに小さな個々の歯を撮影するデンタルレントゲンはアナログの画像に軍配が上がっている。それでも最近はメーカーによってはアナログに匹敵するに近いデジタルも出現しているようだが、日本の歯科界の重鎮、小倉のS先生は日本有数のデジタル化を実現されている中で、デンタルレントゲンは基本的にアナログ派である。
S先生のセミナー受講開始以来、S先生の画像レベルに追いつけとばかりに、いろいろ撮影条件やフィルムの感度、現像液、定着液の温度など試行錯誤している。診断には耐えても、いいものを見てしまうと、できるだけきれいに撮りたいと思うのが歯科医の職人気質なのかもしれない。
先日は新宿の100円ショップでタッパを買ってきて、現像液容器とした。本来は小麦粉保管用の容器だが、レントゲンをはさむ器具(写真)を入れて大きさを確認するさまに、店員さんも怪訝そうな目で見ていた。容器も大きめな方が、まとめて現像できるし、画質もいいような気がする。
アナログのフィルムを扱う業者のWさんとメールでやり取りしながら行っているが、Wさんの話ではフィルム自体は「産業界の絶滅危惧種」のような感じだと言う。現像自体の管理が面倒なのが主な理由であるが、S先生が納得できるレベルのデジタル画像が無い限り、フィルムが無くなってしまっては困る。
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