インプラントは嫌だけど、歯に引っかける金具が見える入れ歯も嫌だと言う人が増えている気がする。特殊な合成樹脂でできたフレキシブル入れ歯は、金具無で作れるため、装着した時に、傍目には入れ歯であるとわかりにくい。かつては製造できる技工所が限られていたが、今ではほとんどの技工所が手掛けるようになっている。インプラント出現時もそうだったが、新しいマテリアルが世に出てくると、それまでの治療の原則が崩されてしまう。初めは半信半疑で始めたフレキシブル入れ歯も、症例を重ねるにつれ、患者さんへの説明のポイントや適応症、設計のコツなどが、ある程度つかめてきている。世の中、インプラントを入れてくれと言う人ばかりではない。多様化するニーズの中で、どの治療法を選択するのか。患者さんのライフステージも考慮して決定しなければならない。今日の夜から九州入りである。(長谷川)
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