40歳男性の方です。出っ歯が気になるので引っ込めたいとの事で来院されました。矯正治療も提案しましたが、健康な歯を削ってもいいから被せもので何とかならないかとの事でした。何かを得るには、別の何かを失う、犠牲になる。これは歯科治療においても頻繁に遭遇するジレンマです。患者さんは結果的に長年の悩みが解消されたと喜んでおられました。積極的にはやりたくない治療ですが、患者さんの喜ぶ様を見ていると自分の物差しだけでは測れないニーズがあることを思い知らされました。よく自分が受けたい治療を患者さんに提供するという業界のセリフがありますが、ケースによっては、そうでないこともあるのではないでしょうか。写真左が術前模型、右が術後模型です。
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