赤矢印の場所にインプラントを入れてほしいとの事で来院された患者さんです。下に写っているインプラントは私が入れて20年位のものです。同じくらいの長さのインプラントを入れようと思っても上顎の奥歯欠損の場合、副鼻腔が大きい方の場合は骨の上下的な長さが足りていないことがあります。サイナスリフトと呼ばれる副鼻腔内に骨を人工的につくる処置を行う必要がありました。手術途中で副鼻腔内にある隔壁をぎりぎりまで追求しようとしたところ副鼻腔内の膜が穿孔しました。吸収性の人工膜を置いて骨補填材を入れ無事手術を終えることができました。患者さんはサイナスリフトの説明をした時は恐れおののいていたのですが、「やります」とおっしゃった後は落ち着かれていて手術当日もさほど緊張された様子はありませんでした。手術後の予想されていた腫れもほとんどなく経過したと聞いて、こちらもホッとしました。右側のレントゲン(術直後)のなんとなく白っぽく見えるドーム型の部分が造骨範囲です。半年以上、骨が熟成するのを待ってインプラントを埋入する予定です。全顎矯正ほどではないかもしれませんがインプラント治療も造骨が伴う場合には時間のかかる処置と言えます。
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