「最近の歯医者は技工をやらなすぎる」とは、総義歯作りの大家と言われる阿部晴彦先生の言葉だ。この言葉に感化されて以来、なるべく自分で技工を行うようにしてきた。総入れ歯は、無から有を作るという点で、非常におもしろい。若くて経験がない頃は、総入れ歯臨床に苦手意識があったが、今ではすっかり、好きになってしまった。ビジネス街では総入れ歯患者が少ないのが、技術向上の妨げになりかねないが、一症例一症例、魂込めてやらさせていただいている。
総入れ歯は勝ち負けがはっきりしている。患者さんに「噛めない、入れてられない」と言われれば歯科医の敗北である。今回はどうか・・・(長谷川)
総入れ歯の人工歯配列は、技工士まかせにせず、自分で配列している
配列前の状態 赤い部分は蝋
蝋の上に並べていく人工歯
並べている途中 並べ終わったら蝋義歯を重合する