Think on your feet!(すばやく考えろ!)


先日のサッカーキリンチャレンジカップは日本が初めてアルゼンチンに勝ち、内容的に素人目に見ても、おもしろかった。それ以上に、興味深かったのが試合前に放映された中田英俊氏とザッケローニ日本代表監督との対談であった。流暢なイタリア語を操り中田氏が切れ味のいい質問を繰り出していく。中田氏がかねてより、日本代表に欠けていたもの、彼曰く「日本人は監督の言うことはやるが、それ以上のことはやろうとしない。自分たちがどうするのかを考えようとしないのをどうしたらよいのか?」を新監督にぶつけていた。ザック氏曰く「ボールの方向を決めるのは監督ではなくて選手だ。日本人は俊敏で技術もある。考えるスピードは改善の余地がある。日本は、いいものを持っていて、伸びしろがあるので、やりがいはある。考えるスピードもトレーニングできる。」と述べた上で、彼の契約は次のW杯までの4年間ではなく、2年契約であることを明かしていた。チームに自分の考えを浸透させるのには2年あれば十分だという。同じ監督が長く続けるのはチームにとって決していいことではなく、次の監督から新しいことを学ぶべきだというのが彼の持論のようだ。
話は変わるが、私の英語の先生は37歳の英国人でノンフィクション作家である。主に国際情勢裏事情が彼の記事のネタである。レッスンは本来1時間であるはずなのだが、ネイティブがよく使い、あまり日本人が頭に浮かばない表現を教わり、それを使っての表現練習が平均2時間、これで終わりかと思いきやその後フリートーキング1時間から2時間やってくれる。1回あたりトータル3時間から4時間やってくれて、ちなみに3000円である。
英語の先生曰く「この表現を使ってポジティブな意味の場合と、ネガティブな意味の場合の文をそれぞれ1つ作れ。考え込むな!すぐ言え!」とか、「これについて、おまえどう思う?すぐ反応しろ!」などと、なかなか厳しい。終了後は頭の中が真っ白である。その先生に質問をぶつけたことがある。「私を含めて、日本人は討論や考える力がない人が多い気がする。日本経済が20年も停滞したままでいる一因であると思う。どうしてでしょうか?」彼曰く、「考えてもみろ、文字の多さの違いだよ。俺たちはアルファベット26文字覚えりゃ、それで終わりだ。後は討論の練習をしたり、考えるトレーニングをする時間にあてられる。君ら日本人は、ひらがな、カタカナ、漢字、、、いったい何字あるんだ?覚えるだけで、精いっぱいだろ。」
結構いい年になっているが、厳しい歯科事情を乗り切るには、治療技術だけを学んでいるだけでは駄目で、それ以外のことも意識的に考える時間をつくる必要がある。

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