スティーブ・ジョブズって我儘な人だった?

スティーブ・ジョブズ氏が亡くなってから、書店には彼に関する多くの本が陳列されている。そのほとんどが、マスコミの報道もそうだが、彼に対する賞賛記事ばかりである。例えば、自分が他社から引っ張ってきた人材に、創設者である自分が自社を辞めさせられた事は有名だが、多くの書籍やマスコミの報道は、「これにもめげずに新しい会社を設立し成功を収めて、最後はアップルに復帰しi-pod、i-phoneやi-padで世界を変えた」としか伝えない。これだけ聞くと、ジョブズ氏が他社からひっぱてきた人物に裏切られた印象を持つ可能性もあるが、実際はジョブズ氏が我儘で、従業員に対する仕打ちもひどく、他社との交渉の席でも感情をぶちまけて相手を怒らせてしまうなど、あまりの傍若無人ぶりで、追い出されても仕方が無い事情があったことが、今回選らんだ「スティーブ・ジョブズ失敗を勝利に変える底力」を読むとよくわかる。
この本は、ジョブズ氏が亡くなる前年位に書かれており、いわゆる便乗書籍ではない。著者の竹内一正氏は、ジョブズ氏の様々な失敗から逆襲に転じる様を、日本の多くのマスコミのように杓子定規に賞賛するのではなく、失敗は失敗として辛辣に批判したうえで、何が問題だったかを、様々な会社が複雑に絡み合った内情を伝えながら分析している。そのくらいの性格だから、あれだけの業績をのこせたんだとは結んでいるが・・・

「一瞬の成功に酔いしれてはいけない。成功とは、不安定な山の頂にすぎないのに、まるで安定した広い大地の上に立ったかのように多くの人は錯覚してしまう。頂上を目指し苦労して登りきったところには、広々とした平原が待っていて、それから先は楽ができると考えるのは大きな間違いだ。成功を手にした瞬間には、次の目標に向かって再び歩み始めろ。さもなければ、成功は一瞬のきらめきで終わって、世の中から忘れ去られる。高度経済成長で頑張ったのに失われた20年間を無為に過ごして、中国に抜き去られようとしている日本がいい例だ。成功の余韻に浸っている時間が長ければ長いほど、より大きな失敗が口を開けて忍んでくる。」

そういえば、今週月曜日に見学に行った杉並区の大規模で発展を続けている歯科医院の医院長先生も同じ事をおっしゃっていた。「常に、危機感を持て。」と。(長谷川)

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