企業文化

ビジネス書は学生時代に、一時期凝って読んでいた事がある。最近になって、また読みだすようになった。英検1級に合格するまでは、読書と言えば、英語の雑誌the Economistと決まっていた。現在は、これを読む時間を削って、比率は1対1位になっただろうか。

マネージメントに関しては、いろんな人がいろんな事を言っていて、どれを信じていいのか迷う。コーチングに興味を持った事はあるが、あんなもの駄目だとする論調の本もある。

話は、がらっと変わって、私が学生時代の事だ。私が所属していた東京医科歯科大学ボート部はオリンピック代表3名、ユニバーシャード代表7名(私を含む)を輩出し、全日本、インカレ優勝数知れずといった名門であった。

私が卒業し、コーチに就任してから、数年後に部は最悪の事態になった。出る試合、出る試合で、敗者復活戦負けを繰り返し、小さな大会でも準決勝にもいけない状態が続いた。練習量が少なく、練習態度も悪く、さぼり文化のようなものが部内を蔓延していた。

合宿所内も汚くて、満足に掃除をした跡が見られない。当時の部員はコーチの私に反抗的だった。たまりかねて、私自ら、ほうきを持って掃除を始めた。これを見て、部員はさすがにまずいと思ったのか、きまり悪そうに追従して、一緒に掃除を始めた。これ以降、様々な(OB曰く)過激な方法を実行し、関東大会優勝、東日本選手権優勝、インカレ4位まで復活させることができた。誰もが、「勝つんだ」という気概を持ち、練習や試合に臨むと言う、かつては当たり前だった文化に戻すことができた。詳細はここでは語りつくすことはできない。

本の話に戻ろう。上の本に、ある中小企業の社長さんのエピソードが出ていた。その会社は、一時期、従業員が反抗的かつ自己中心的な、いわゆる無政府状態で、どうしようもない企業文化だったという。コーチングの手法も取り入れてみたが、さっぱり効果が出ない。社長自らトイレを始め、社内の清掃を始めるのだが、誰も手伝う者がいなかったという。ここから、どう再建したかは本書に譲ろう。

消えていく運命にある、いかさま経営コンサルタントを、いかに見分けるかと同様に、いかに良書を選択し応用するかも、自社の企業文化を作る上で重要だろう。実行、修正のプロセスは結局通る事になるのだが。(長谷川)

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