どこの業界でもそうでしょうが、天才肌の方がいらっしゃいます。天才は人から教わる部分は全くないとは言えないものの、基本的に自分で発想して、実戦でその正しさを証明する力があるようです。我々の業界では、北九州の下川公一先生が、その「天才」に相当すると思います。70歳になられようとする下川先生が主催する経基臨塾という勉強会があります。毎年、この時期に発表会が福岡で催されます。発表者の選定は突然事務局から電話で指名されます。「召集令状」と会員の間では呼ばれています。毎年臨床に関するテーマがあって、それに沿った10分のプレゼンをして下川先生からコメントをいただく形式です。このコメントが厳しい、あるいは愛のむちというべきでしょうか。私は今回初めて、指名されました。
7月27日、その日はやってきました。午前中に褒められた発表者がいた一方で、「ノーコメント!プレゼンがなっとらん。話にならない」と一刀両断された発表者がいて、会場は騒然とした空気に包まれました。私の順番は午後一番でした。昼食の弁当は無理やり喉を通した感じです。それでもなんとか10分のプレゼンが多少声が上ずりながらも終わり、幸いコメントがいただけました。「ここまでやっとんのやから、もう少しなんとかなるやろ」とのことでした。終わった後の福岡空港では一人で祝杯をあげました(写真)。むろん満足してはいけないのですが、とにかくほっとしました。真剣に叱っていただける方も時代の流れで少なくなってきました。こうした緊張感があるから、モチベーションがあがるのかもしれません。
コメント