週末は四谷にある日米会話学院の無料授業に行ってきました。「國弘正雄先生を偲ぶ勉強会、故國弘正雄先生の華麗な神技の逐次通訳に学ぶ!」と銘打たれた勉強会でした。1968年の米国大統領選挙の年に来日した米国の著名な歴史学者Arthur Schlesinger教授によってNHKで公開放映された英語講演“American Presidency”を当時38歳の國弘氏が逐次通訳をされた時の音源を聴きながら、講演中の主要な単語用法について、國弘氏と長年親交があった同学院学院長大井孝氏が解説をするというものでした。
國弘氏の逐次通訳を通して「國弘の前に國弘なし、國弘の後に國弘なし」、「もうこんな原稿もない通訳で、ここまでできる人はもうでないでしょうね。」と演者の大井先生が盛んにおっしゃっていました。日本の英語教育に対しても嘆かれていました。あれだけ英語教育が叫ばれてきていながら、未だに通訳の需要は減っていないそうです。一流の通訳者は1日あたり15万円程度だそうです。ところが、企業によっては5万円程度の2流から2.5流の通訳者を使うことがあるそうで、そうしたニーズも多いそうです。自前で育てればいいじゃないかと思うところですが、育っていないのが現状だそうです。TOEIC800点とりゃいいじゃないかという安易な風潮を嘆かれていました。実際、今日の講演で使われた音声教材も、きちんと訳せと言われたら、英検1級程度の実力では歯が立ちませんでした。なんとなく、こういうことを言っているのかなでは、お話にならないことを痛感しました。
講義は90分の予定でしたが、1時間も延長となりました。無料にもかかわらず、手抜きのない熱い講演でした。
患者さんも外国の方が多くなり、複雑な内容を英語で説明し質問に答えなければならない機会も多くなってきました。まだまだ、成長が必要です。
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