スペイン人の子供

場所柄、子供の患者さんは皆無に近い当診療所だが、東野矯正専門医の紹介で、スペイン人の子供の抜歯をしてほしいという依頼をいただいた。外交官の息子さんだという。本人はスペイン語とフランス語はOKだが日本語、英語がわからないとのことだった。どーすりゃいいんだとパニックに陥りそうになったところ、お母さんが英語を解し、ついてきてくれるということだった。メールに添付してあるレントゲンを見ると、抜歯依頼の歯は乳歯とはいえ、まだがっちりしている様子だった。本人は歯科治療経験がまったくないとのこと。従って麻酔もはじめてということになる。急遽、本を買って対策を検討することにした。数ある小児歯科の本でも、とりわけ下記の本が役に立ちそうであったので早速購入した。漫画を読む感覚で楽しめるのに加えて「ステファンコーベイの7つの習慣」の引用もあり、テクニックだけでなく、歯科医としての生き方を考える上でも示唆に富む内容であった。休日1日がかりでスペインで流行っている漫画(ドラゴンボールも人気らしい)、スポーツ選手などを調べて、スペイン語のスライドを作り、モニターに映して迎えることにした。レントゲンに添付する画像は毎回変えることにした(下写真はテニスのナダル版)。反応は上々で、4回に分けて泣かすことなく無事に抜歯を終えることができた。通常のインプラント関連手術より数倍緊張したが、これでまたひとつ、経験値が増えた。覚えたスペイン語はhola(こんにちわ)とabre(開けて)だけだったけど・・・
無題hhh

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