70代女性で神奈川県から電車で2時間かけて来院された方でした。何件かの歯科医院を回られ、地元の歯医者では入れ歯が歯茎にあたって痛いので何度も調整したり、埼玉県の歯科医院では新しく作ったりしたそうですが思わしくないとのことでした。東京の池袋の歯科医院ではインプラントオーバーデンチャー(インプラントの上に義歯がのっかり、外れにくいような装置をつける)を勧められたそうです(最後のスライドに私がかなり以前に行った例を載せておきます。現在は基本行っていません。)。治療用義歯(仮義歯)を作って歯茎の粘膜を調整し痛みがないこと、調子がいことを確認して、本義歯製作を行いました。最終義歯にはblade teethを採用して咀嚼効率の向上をはかり、歯茎色の床の部分は6気圧重合の合成樹脂を採用して強度をはかりました。最後に咀嚼効率を判定するガム(東京医科歯科大学とロッテで開発)で旧義歯と新義歯との比較を行い、咀嚼効率の向上が認められました。治療期間は約4か月、治療費は80万円でした。今後顎が痩せてきた時に裏打ちをし直す必要がでてきます。
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