昨年末に読み終わった本です。フットボールのアレックス・ファーガソンやその他各界の偉大なリーダーと言われている人たちが異口同音に尊敬する指導者として挙げているのがネルソン・マンデラです。この本を読む前は、南アフリカの人種差別撤廃を成し遂げた人くらいのイメージしかありませんでした。幼少の頃の割礼の話、法律事務所で働いていたこと、様々な人の協力を得ての活動、多くの黒人が白人に殺される事件が多い中で非暴力主義の理想論で人種差別撤廃を成し遂げられるかという葛藤(破壊工作は必要なのではないか)、逮捕、牢獄でのエピソード(我々は政治犯なのだから凶悪犯よりは待遇をよくするべきだなどの上層部への交渉、テニスコートや畑を作らせた、海で魚介類を捕って、海岸で鍋をやっていたら王族の結婚式のラジオ放送があって料理の紹介があり、自分たちの今食べている食材と一緒じゃないかと看守らと大笑いした、本で勉強は常にしていた)、解放されてからの目標達成までの苦悩と情熱が描かれています。牢獄では気持ちが折れそうになるのではないかと思うのですが、常に前向きに日々状況を改善していこうとする様子、特に政治活動関連だけでなく、長い牢獄での生活そのものを他の収容者のためにも改善するように粘り強く交渉する様子は読みごたえがありました。牢獄の暗いイメージを払拭する態度に対して、興味深く読むことができました。約800ページありましたが、知らなかったエピソード満載で楽しむことができました。
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