再根管治療の例です。昨年の12月、15年前に自分がやった右下の一番奥の歯の抜髄処置が感染根管となり、痛みを伴って来院されました。レントゲンを見ると歯根破折も疑われました。治療していく途中で、歯根破折が明らかとなった場合には抜歯となる旨を患者さんにお伝えし、被せものを壊して、根管治療を開始しました。上から見て明らかな破折は認められなかったので再根管治療を行う価値はあると判断しました。再根管治療の治る確率は決して高いとは言えないと認識していますが、自分が15年前にやった処置で自分の癖もわかっているため、とりあえずやってみようとなりました。根管充填後3か月で「なんとなく違和感がある」と言って来院されました。レントゲンで病変は治っておらず抜歯も考慮しないといけないかもしれないと申し上げました。患者さんは「とりあえずもうしばらく様子をみたい」と言って診療所を後にされました。これまで根管治療についてはここ数年の間で下川公一先生のコース、金成雅彦先生のコース、JIADSエンドコース、澤田先生のコース、米国開業の清水先生のコースなどを受講をしました。それぞれの考え方があり、使う道具も違います。現在は下川公一先生、金成雅彦先生の考え方で行っています。何がどう違うかはこの場では説明しきれません。患者さんは、それから更に3か月後に来院され、治療したのも忘れるくらい無症状だったとのことでした。レントゲンでは、まぐれかもしれませんが、幸いにも治癒傾向が見られましたので被せものをする工程に入りました。
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