臨床アラカルト– category –
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再々生療法
歯周病で歯を支えている周囲の骨が溶けてしまった場合に、かつてはほとんどあきらめざるをえない時代があった。今は条件にもよるが、エムドゲインという薬によって、失われた骨がある程度回復させることが可能になってきている。最近になって、骨が広範囲... -
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古い義歯への愛着
17年前に義歯を作らさせていただいたNさん。その後何度か、修理を余儀なくされたがNさん自身は快適に使用しているとのことだった。術後10年を超えて破損の頻度が高くなり汚れも目立つようになった。定期検診の度に新しく作り変える提案をしたが、「愛着の... -
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脂肪吸引手術をすれば歯周病は直る?
米国歯周病学会誌から。肥満は歯周病罹患のリスク因子の一つと言われている。肥満は糖尿病や心臓血管系の病気とも関連しているので、慢性炎症である歯周病は、ある程度の相関がある。 ブラジルのグループが「それならば、肥満を脂肪吸引術によって直した人... -
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セミナー発表会に向けて
8月に、1月から受講してきた下川公一先生(日本のトップデンティスト)ベーシックコース発表会がある。座長も発表者も受講生で、下川先生からの厳しいコメントがいただける。発表時間は1人15分である。今続々と受講生から抄録が集まってきている。自分の理... -
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インプラントがまた落ちた?
先週末、小倉のセミナーへ行く日のできごと。Pホテル役員のTさん。以前、インプラント周囲炎でせっかく入れたインプラントが脱落した。本人は、そのまま付けてくれるものと思っていらしたが、そうもいかない。保証期間内であり、謝罪、説明の後、リカバリ... -
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フレキシブル入れ歯(金具の無い入れ歯)
インプラントは嫌だけど、歯に引っかける金具が見える入れ歯も嫌だと言う人が増えている気がする。特殊な合成樹脂でできたフレキシブル入れ歯は、金具無で作れるため、装着した時に、傍目には入れ歯であるとわかりにくい。かつては製造できる技工所が限ら... -
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インプラント周囲炎の謎
先日の学会で、韓国の先生がインプラント埋入後1年程度で脱落した症例を提示した。埋入位置、方向、咬合、清掃状態など問題は認められないのもかかわらず、「なんでこんなに完璧にやっているのに」と思わずにはいられない症例報告であった。 文献的にも、... -
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根管治療の楽しさと苦しさ
今週末は小倉の下川先生のセミナーで九州に行く予定だ。今回はいままでの総括として講義中心とのこと。このコースを受講して根管治療の概念が、基礎医学に立脚した下川理論によって大分変化した。歯科治療の中で最も不確実(下川先生談)で保健制度上最も... -
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金具が見えない入れ歯
通常の入れ歯の欠点のうちの一つとして、残存歯にひっかけている入れ歯の金具が、笑った時などに見えてしまう。金具の代わりに歯肉色の弾力性の高い合成樹脂で、目立たなく、装着感が優れるフレキシブルデンチャー(保険適応外15万円~)を選択される方が... -
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説明能力と理解能力
本日最後の患者Aさんは、ファイバーコア(グラスファイバーの心棒)の装着だった。前々回、根管治療が終わり、土台作りの話をして、Aさんはふんふんとうなずいていたのだが、今日、Aさんの歯型模型とファイバーコアを見せると根掘り葉掘り質問をされてくる...