廃液から金属を抽出してくれるばい菌


バイオテクノロジーの開発の中でいくつか注目に値するものがあるが、雑誌The Economistから見つけた記事。昨今の金属の価格が上がってきていることが、「金属むしゃぶりばい菌」の使用に拍車をかけてきているという。
携帯電話やコンピューターに欠かせない金属には銅、コバルト、ゲルマニウム、リチウム、ニッケル、プラチナなどがある。しかし、これらのいわゆるレアメタルは価格が高騰し、中国が供給を厳しく制限している。よって、他の方法でレアメタルを手に入れることが望まれてきた。その答えがRock-eating bacteriaである。このバクテリアは、工業廃液や低クレードの鉱石から金属を抽出してくれるのだそうである。AcidithiobacillusやLeptospirillum(どうして細菌の名前は舌をかみそうなものばかりなのだろう・・・)といった金属を食べるバクテリアは汚い酸性の環境で繁殖する生物だそうだ。バイオリーチングというこの技術はすでに実用化されていて銅の生産に大きく貢献しているという。
歯科の保険で使用されるパラジウム合金も高騰しており、いつものことだが現行の保険点数では、パラジウムの詰め物や被せ物は逆ザヤである。工業界だけでなく、大学歯学部の細菌学研究室でもこうした研究をしていただいて、パラジウムをロシアからの輸入に頼らず、廃液などから抽出できるようになればと単純に考えてしまう。

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