細胞増殖スピードオリンピック

英国雑誌The Economistの記事から。細胞生物学会では、遊び感覚で研究を楽しもうとしているのか、細胞増殖スピードコンテストをこの8月に行うらしい。World Cell Raceと銘打って細胞生物学者のスポーツイベントとして行うものだという。世界中の研究室が選手(動物細胞、遺伝子操作された細胞など)を送り、プレートの上に乗せられて、顕微鏡下で、増殖スピードが追跡される。どんな細胞であれ、1mmの10分の1の距離を一番早くプレート上でカバーした細胞が勝者(おそらく1時間くらいはかかるらしい)となる。一番遅い増殖スピードの細胞も表彰されるとのことだ。こうした競技会を通じて、癌細胞増殖のスピードを抑制する遺伝子の研究を加速させたり、細胞の動きを理解することにより、免疫力増強や創傷治癒のスピードを高めることにつなげようという事らしい。世界の30のラボが参加し、8月の終わりにビデオが分析されて勝者が決まるらしい。

そういえば、昨年の日本審美歯科学会で、前歯部インプラントの審美コンテストが行われていた。一番きれいに前歯の欠損をインプラントで修復した者が学会参加者の投票により勝者となるのだが、日本有数の歯科医の症例は、どれもすばらしく甲乙つけがたい。実はこうしたイベントはアメリカの審美歯科学会でもよく行われているらしい。仕事においても、こうした遊び感覚で競争したりすることは、学問自体や業界の発展にとって有効なのかもしれない。(長谷川)

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