米国歯周病学会誌から。肥満は歯周病罹患のリスク因子の一つと言われている。肥満は糖尿病や心臓血管系の病気とも関連しているので、慢性炎症である歯周病は、ある程度の相関がある。
ブラジルのグループが「それならば、肥満を脂肪吸引術によって直した人は歯周病も改善されるか」というユニークな研究を行ったようだ。18歳から60歳までの345人の被検者が対象で、脂肪吸引術が推奨された人達である。被検者は3つのグループに分けられた。すなわち、手術前の人(133人)、手術後6カ月以内の人(72人)、手術後6カ月よりも多く経過した人(140人)である。それぞれの群において歯周病の検査が行われた。
結果は「どの群とも大差なく歯周病が蔓延していた」との結論のようだ。「歯周病に罹患していて肥満な人は痩せても歯周病改善には寄与しない」という早急かつ短絡的な結論にはならないのだろうが、歯周病においては、肥満などの全身的な因子も関与しているが、やっぱり、プラークコントロールなどの局所の因子の比重が大きいということなのだろう。私は50歳で年齢的にはとっくに歯周病のリスクを負っている。最近セミナーの懇親会等で飲む機会も多い。太らないに越したことはないと、昨晩は久々に2000メートル以上泳いだ。(長谷川)