脱金属は歯科臨床の目標の一つである。ジルコニアクラウンもその目標達成のために開発されたセラミッククラウンで、どこの歯科医院でも行われている。実際に金属を使う場合より審美性に優れていると言える。F証券の営業Aさんは、以前から前歯の変色を気にされていた。変色していた歯は、何年か前に神経を抜かれていた歯であったので、いよいよ差し歯にしようという事になった。心棒は金属ではなくファイバーコア(グラスファイバー)、被せ物はジルコニアセラミック冠を選択された。歯科用のジルコニアも様々なメーカーがしのぎを削っている。今回はとある技工所の勧めもあって、あの陶器で有名なノリタケのものを使用することとなった。「ノリタケ刀」という名称で同社の歯科部門が提供している。本日朝一番にセットし、Aさんは満足げに灼熱の大都会での営業に繰り出していった。(長谷川)
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