19日の日曜日には、英検1級2次試験が東京タワーが近い、とある高校の校舎で行われた。2次試験は試験官2人(一人はネイティブ、一人は日本人)の前で行う英語での口頭試問である。
初めの2分間で自己紹介を行い、次に5つ質問が書かれたカードを渡される。質問内容は時事問題が主で、例えば「遺伝子組み換え食品に賛成か反対か?」「安楽死に賛成か反対か?」「宇宙開発に賛成か反対か」「テロはなくせるか?」「日本の国連の中での役割とは?」「高齢化社会にどう対応する?」「定年制は廃止すべきか?」「死刑は廃止すべきか?」などが過去に出題されている。こういった質問の中から自分が話しやすそうなものを1つ選び1分で2分間スピーチの構成(先に結論を述べ、理由2つ具体例2つあげて、最後に結論で締めくくるのがいいらしい)を組み立てる。2分間スピーチの後、試験官との質疑応答が5分あって試験終了となる。
1次合格発表から2次までの期間が2週間ほどしかないので対策は十分とはいいがたかった。ネットで薦められていた本を購入したり、イギリス人の英語の先生に直前稽古をつけてもらったものの自信が芽生えないまま当日を迎えてしまった。
会場で受付した順に控室に誘導される。控室で自分の前の受験生は、どう見ても小学生の女の子だった。帰国子女かもしれないなどと考えていたら、係の人からお呼びがかかって、控室から面接室の前の廊下に移動させられた。
AKB48の前田敦子さんに似たタイムキーパーのお姉さんに呼ばれて、いよいよ入室。試験官は2人とも女性で、日本人の方は50前後、ネイティブの方は60すぎだろうか。自己紹介では東京で働く歯医者で、英語を学ぶ目的は外人患者さん対策であること、家族構成などを淡々と述べた。
問題カードの中で「インターネットは人類にとって利益よりも害が多いか?」というおあつらえ向きの題材が目に飛び込み、迷わずこれをチョイス。前田敦子さんがベルをならし、2分間のスピーチを開始。「物事はすべて利点、欠点はあるが、インターネットは害よりも益をもたらしたと言える。多くの情報を容易に得られるようになった。外へ出かけなくても買い物もできて、高齢者や障害者には有益と言える。」などと言っているうちに、前田敦子さんがベルを鳴らしたところでスピーチ終了。
日本人の試験官から「ソーシャルネットワークについてはどう思う?いろいろ問題もあるみたいだけど。」と聞かれ、「私は実際FACEBOOKをやっている。友達のほとんどはアメリカや日本の歯科医で意見を交換し合うことができ、ソーシャルネットワークは有益だと思う。」などと答えた。「どうしたらデータ流出の問題が防げると思う?」と聞かれ、「テクニック的なことは私にはわからないが、たぶん管理する側の人が解決すると思う。」などと答えて冷や汗をかかされた。ネイティブの試験官から「高齢者が外へ出かけずに買い物ができていいと、あなたは言ったが、高齢者はインターネットをやらないんじゃないの?」と突っ込む。「10年前なら、あなたの見解は正しい。今は60歳以降の人でも年年、ネットを楽しむ割合が増えているというデータがある。高齢者はネットをやらないという概念は崩れてきている。」と答えた。なんとタイムキーパーの前田敦子さんは、うんうんと頷いている。「ネットはうその情報もあると思うが?」という問いに対しては「情報源はネットだけでなく、本、雑誌、テレビなどがあるので、総合的にみて判断すれば良いと思う。」と答えていると、ベルが鳴って、終了となった。
あー、疲れた。とりあえず今の力はこんなもん。これで落ちたらしょうがない。
明日から福岡で歯周病勉強会の発表。こっちのが楽だな。(長谷川)