歯科医の仕事の対象である患者さんは、言うまでもなく3次元的なものである。ところが、CTが出る前までは2次元のレントゲンでしか、診断の頼りとなるものがなかった。当院はCTを当時約5千万円で購入して約5年になる。昨年の段階で、全国の歯科医院のCT普及率が3%だったが、今後ますます増えていくに違いない。パソコンと同じで価格が年々下がってきているのも、この傾向に追い打ちをかけている。
通常のレントゲンでは、どの根っこを治療していいのかわからないものでも、CTならば、それが明白になる。現在、東京都では下顎の神経に近い親知らずの時のみCT撮影は健保適応であるが、根管治療の時も威力を発揮するので、是非、根管治療時のCT撮影健保適応を認めてもらいたいものだ。(長谷川)
(左)通常のレントゲン。123の根っこの先に病変(黒い部分)があり、これが原因で歯肉が腫れていた。(右)CTによる水平断。2の根っこを治療すればよいことがわかる。
1と2の根っこの垂直断。2が原因根であることがわかる。念のため1も治療を行う。現在、腫れは消失している。