患者にも術者にも優しい骨造り?

http://www.ted.com/talks/molly_stevens_a_new_way_to_grow_bone

様々なジャンルの英語プレゼンが見れるサイトTEDには、歯科に関するものは私が知る限りではほとんどありません。しかし、このスピーチは骨の再生という意味で歯科にも関連するトピックを扱っているといえるかもしれません。
骨の損傷の治療に腰の骨を移植する方法があるのですが、腰の部分が術後2年くらいは痛むそうです。本スピーカーの所属する英国の研究機関では、足の骨で骨と骨膜の間に生理食塩水を入れて隙間を作り、そこに新しい骨を誘導してくる方法を開発中のようです。オリジナルの骨の上にできた新しい骨は、こすりとって他の部分の骨の修復に使うそうです。新しい骨とオリジナル骨の境界はしっかりくっついているわけではないそうで簡単に剥がせるそうです。腰の骨を移植する従来の方法より患者さんの痛みは少ないとの事です。
歯科でも上顎の奥歯にインプラントを入れたいのに副鼻腔の下に十分な骨が無い場合には、腰の骨を一部とってきて副鼻腔に移植する方法が行われていた時代がありました。(今でもやっているのかな?)術後で問題になるのは顔の腫れではなく、歩行障害だったようです。現在では当院も含めて世界的に人工骨を使用する方法が主流です。
今回のスピーチでの方法は、顎の骨が癌で切除しなければならない患者さんに対して、切除後の顎骨再建の方法として有効となるかもしれません。一般の診療所において、インプラント治療のための造骨処置に応用するのは、ちょっと無理だなあ。しかし、将来、注射で簡単に顎の骨ができるような方法が開発されれば患者さんも私たちも楽なインプラント治療が可能となるのですが、まだまだそう簡単にはいかないようです。
この研究所にアメリカンフットボールの選手が「頭蓋骨の厚みを2倍にしてくれないか」という問い合わせがあったという話には笑いました。

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