すれ違い咬合(東京大手町勤務歯科医の全顎治療ブログ)

Yさんは高校時代の同級生。イケメンで勉強ができスポーツマンでハンドボール都大会で300校を超える中でベスト16入り。級長(その学校では団長と呼ばれる)でリーダーシップもあるという非の打ち所がない人でした。私が落ちた(失笑)名門K大学医学部にストレートで入り、1年後に同窓会で会いましたが、その後合わずじまいでした。数十年後に患者としてお会いした時は歯根破折で次々抜歯となり口腔内が崩壊しかかっていました。元々外科畑を歩んでいらしたようですが医療訴訟関係の仕事もしていらしたせいか、欠損部の治療について当初インプラントに対して懐疑的な様子でした。しかし実際に入れ歯を入れた体験や今後予想される口腔内崩壊の過程をスライドを通して心を動かされたのかインプラント治療を選択されました。本数が多く高額な治療となりましたが、まだまだ講演等現役で活躍するためには活舌が悪くては仕事にならないとの事でした。完全なすれ違い咬合(天然歯の相手が欠損、天然歯どうしで上下で咬み合うところが無く咀嚼上最も厄介な状態)となりましたが、インプラント治療のお陰で活舌もいいし食事が美味しく食べられると言っていただけました。ご本人の右下はインプラントの人工歯根部分を埋入していますが、被せものの部分はシミュレーションです(図5)。

図1 歯根破折で歯が次々無くなっていく。
図2 咬みこんでいくと(黄色→)歯が相手の歯茎に当たってしまう(赤→)。
図3 緑色の部分が入れ歯だとしましょう。
図4 咬むたびに柔らかい歯茎に乗っているだけの入れ歯は容易にたわんでしまい、よく噛めない、すぐ義歯が壊れる、痛くて義歯が使用できないなどの弊害が生じることが多いです。
図5 インプラントで天然歯を受けてあげれば咀嚼機能のクオリティーは高く保てると考えられます。

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