長く臨床をやっていると思わぬトラブルに見舞われることがあります。インプラント周囲炎もその一つです。原因がはっきりせず、論文はあるものの憶測の域を出ていないと思います。対処法や予防法もいろいろ叫ばれているようですが確たるものは無いようです。世界各社のインプラントメーカーがしのぎを削って新たなインプラントの開発に取り組んできていて下の写真のようなことは、流石に無くなっていると思います。今使用しているメーカーのインプラントは安心感があります。こうした問題を抱えた状況で造骨手術の経験値を積むことができたのは強いてあげられる学んだ点ですが、患者さんの肉体的、心理的負担を思えば、できれば避けて通りたかったトラブルシューティングでした。私の人生、お花畑のようにはいきません。問題解決能力は何時でも必要になってきます。この時は自分で解決できたものの、そうでない時は外の力も借りなけれなりません。
インプラントの周囲の骨が吸収しています。廓清して歯茎を閉じましたが数年後撤去に至りました。骨吸収の範囲が大きくなっています。
インプラント撤去後半年のCT。骨は回復せず腐骨のようなものが見えました。
排膿していたので切開し、骨の陥没を廓清して骨補填材を入れ吸収性の膜で覆い、縫合しました。取り出した腐骨を示します。
造骨手術前と造骨手術半年後のCT。骨の陥没だったところは新生骨で埋まっていました。
骨補填材は半年後に骨に置換していて新たなインプラント埋入ができました。奥のインプラント周囲に骨補填材を追加しました。
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