たとえ入れ歯になっても(東京大手町勤務歯科医の全顎治療ブログ)

「インプラントではなく入れ歯で何が悪い」といったケースはよくあります。Sさんは現在83歳です。元々お勤めは大手町で当院に通われていましたが、定年退職されました。ご自宅がある横浜方面からこちらに来ると片道1時間以上はかかるそうです。退職後は近所の歯医者にかかっていたそうですが、そこで対応ができないと言われると当院に来院し、落ち着くとメインテナンスで近所に通われるという繰り返しでした。
もともと甘党で、虫歯になりやすいとわかっていても飴をなめる頻度が高い方でした。歯が虫歯で溶けてしまいボロボロになっては抜歯し、最後は上顎総入れ歯、下顎は20年前以上に当院で入れたインプラント2本だけが残り、これを取り込んだナチュラルデンチャーという金具が無い義歯を入れました。入れ歯であっても患者さん側の様々な条件が良く、術者や技工士が適切に設計し、製作すれば咀嚼には何ら問題はありません。実際、咀嚼効率検査でも歯が揃っている人並みの数値が得られました。下顎の入れ歯は最近入れたばかりですが、上顎の総義歯は5年たちました。幸いまだ緩くはなっていないようでした。
咬合や総義歯は阿部晴彦先生から、部分入れ歯は下川公一先生から教わったことがベースになり今日に至っています。あとどのくらい義歯適応の患者さんに貢献できるのか、次のチャンスを待ちたいと思います。

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