出っ歯を少しでも直したい(東京大手町勤務歯科医の全顎治療ブログ)

52歳女性の方です。ホームページの症例集やブログを見て「必要なところがあれば今のうちに治療したい」とのことで来られました。痛いところが無く機能的にも問題ない方でしたのでクリーニングで終わろうとしたところ、「銀歯を白いのに変えてほしい、前歯の被せものの色が周囲と合っていない、前に出すぎて気になる」とのご要望を出されました。急遽、型取りを2回行い、模型を2セットこしらえました。出っ歯をちゃんと直すのであれば、左右の上顎の第一小臼歯を抜いて、そのスペースを埋めるように上顎前歯部を後ろに引っ張ってくるのが本筋でしょうが、恐らくそうした矯正治療は望まないだろうと考えました。差し歯のやり替えのみでどこまで引っ込められるか、見た目の印象が変わるかを模型上で仮歯を作って、現状の模型と仮歯を作った模型とで比較しているところです。歯の位置が元々前方にあるので、この位置が変えられないとすると、自ずと限界があることがわかりました。こうした作業は診療の合間や休み時間を削って行っています。
コロナの影響で近隣の方々がテレワークとなり地元の歯科医に転院する中で、逆に郊外からホームページを見ていらっしゃる方には、有り難い限りです。ただ、他院でさんざん歯をいじられ、咬み合わせがおかしくなったという方々は大半お断りしているか、手を付けてもうまくいかないことがしばしばです。自分で直せるのか直せないのか。こうした見極めをきちんとしないと、場合によっては患者さんに新たに迷惑をかけることにもなりかねません。

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