臨床アラカルト– category –
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総合力が問われる
「歯科はオリンピックの10種競技のようなもの」とは、歯科界の大御所、小倉の下川公一先生の言葉である。充填、根管治療、歯周治療、クラウンブリッジ、インプラント、部分入れ歯、総義歯、矯正、口腔外科、咬合だけで、もう10種目だ。各種目で金メダルを... -
歯科衛生士ってすごい!
千葉から1時間以上かけて通院されるNさん。歯周病に罹患している歯牙が見つかり、歯科衛生士による歯周ポケットの中の歯石取り(スケーリング)が行われた。歯肉から膿が出ていたのが止まり、腫れも改善されたが、6㎜(4㎜以上は歯周病)の歯周ポケットが... -
地道な根管治療
広島に長期出張になったBさん。月一回は東京に戻っていらっしゃるので、その時を利用して、大臼歯の根管治療を続けていた。幸い、治療が奏功し、初めにあった歯肉の腫れも落ち着いた。残っている歯質が少ないので予後にやや不安は残すが、今回はこの歯の保... -
色が合わない
前歯の根元の色が気になるとのことで、来院されたCさんに詰め物をした。変色を隠そうとするあまり、詰めたところが白く浮き上がっているように見える。Cさんは満足されているが、色は周囲と調和していない。今回は、3層に分けて色を選択し充填したが思う... -
骨形成タンパクはインプラント周囲炎を救えるか?
米国歯周病学会誌に掲載されていたケースリポート。遺伝子組み換えで合成された骨形成タンパクをインプラントを支えている骨が溶けてしまった患者さんに使用したら、また骨が回復し、インプラントを救済することができたというものだ。 10年以上前に、日本... -
左右のバランス
左右のバランスがとれていることは、歯並びや、噛み合わせにおいても大切である。Aさんは左右のバランスが崩れたまま義歯が装着されていた。反対咬合は修正できなかったが、なんとか左右のバランスを修正して、義歯を落ち着かせることはできた。以前に比べ... -
阿部晴彦勉強会MVP症例
誰が言ったのかは不明だが、日本の三大天才歯科医は阿部晴彦先生(仙台)、下川公一先生(小倉)、故筒井昌秀先生(折尾)と聞いたことがある。御年75歳になる阿部先生は、今も臨床、セミナーにおいて活躍されている。その勉強会にスカウトされて、もう早... -
咬み合わせを上げ、矯正する前にレジン充填
Dさんの咬み合わせを上げ、矯正を開始する予定だが、前歯があまりにもすいている。もともと歯ぎしりで、歯の先端が擦り減ってしまているので、レジンで盛りたすことにした。CRセミナーで教わった通りのステップで行ったが、色が合わない。とりあえず、この... -
たくさん入れりゃいいってもんでもないけど・・・
栃木から通われるHさん。約10年前に、「入れ歯は嫌なのでインプラントに変えてほしい」という今では珍しくないパターンで来院された方だ。この当時は今ほどインプラントをやっている医院も少なく、造骨の概念も浸透していなかった時代だった。この症例も薄... -
咬み合わせを上げて、矯正に備える
右側奥歯に上下の歯の接触が全くないCさん。右側で噛ませるためには、かみ合わせを上げて、矯正しなければならない。御年70歳だが、人生の最後に右側で噛めるようになりたいとおっしゃる。咬み合わせを上げるためにインプラントを入れた。夜中の歯ぎしりが...