セラミックを強化する物質

歯科ではオールセラミッククラウンをはじめとする様々なセラミックが使われており、脱金属の流れは今後も続く可能性が高い。今回とりあげるのは、The Economist 4月23日号の科学記事である。

グラフェンという物質が工業界で注目されているらしい。原子の単層の厚みのフィルム状の炭素化合物らしい。昨年、この物質で開発でノーベル物理学賞が贈られたという。最近、アリゾナ大学のグループがセラミックをグラフェンで強化する方法を研究した。セラミックの欠点は脆いことである。歯科でもセラミック冠の破折は問題となることがある。研究の課題となったのは、セラミックとグラフェンをどうミックスするかであった。鋳型の中で1000度で焼成しようとすると、600度くらいでグラフェンはセラミックとくっつかないそうだ。これを解決するために、彼らが考え付いた方法は、グラフェンの電気伝導能を利用することであった。グラフェンとセラミックの混合物を電流を流しながら、焼成すると1650度でもグラフェンは壊れず、合成されたものはセラミック単体よりも2倍の圧力に耐えられるようになったとのことだ。もともと航空業界で使用されるセラミックを強化するのが狙いの研究だが、歯科でも応用できないのだろうか。近い将来、金属の裏打ちのないセラミック修復がもっと安心してできる日が来るのかもしれない。(長谷川)

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