某大学医学部付属病院耳鼻科教授であるSさん。ブリッジ部で痛くて噛めなくなったとのことで来院された。オペ前に、なんと、ご自分で抗生物質、鎮痛剤、安定剤を飲んで今日の手術に臨まれた。お医者さん患者さんならではの行為ではある。Sさんのセラミックブリッジの橋脚に相当する歯が割れてしまったため抜歯せざるを得なくなった。親知らずを含んだブリッジは、余り一般的とはいえない。無理はどうしてもたたってしまうが、7年はもったとの事だった。
ヨーロッパ系のストローマンインプラントは縫合時に歯肉がピタッとよって、傷口の治癒も速いような気がする。しばらく噛むところが少なくなってしまうが、いたしかたない。原価が高いので、患者さんへのチャージはそれなりになってしまうが、安心してインプラント治療を展開するためにも、実績と高い基準をクリアしたメーカーのものを今後とも使用していきたい。日本の歯科界は、インプラントバブルがはじけて、インプラントトラブルの時代に入っていると言われている。歯科界全体が改めて襟を正す時期なのかもしれない。(長谷川)
術前 ブリッジの橋脚である左から2番目の歯が割れて痛い 右端の歯は根管治療が必要
ブリッジを壊し、割れている歯を撤去 ブリッジのダミーだった欠損部にインプラント2本埋入 東京医科歯科大学インプラント治療部で揉まれてきた当院の伊藤医師とも相談し、神経損傷のリスクを避けるため1本は短いものを選択した。
抜歯と埋入直後
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