造骨処置(習った事が活きた・・・かも)(東京大手町勤務歯科医のインプラント、骨造成、全顎治療ブログ)

今日はインプラントが後に入ることが前提(インプラントを入れたいが骨幅が足りない状況でした)の造骨処置を行いました。患者さんは他院でマイクロスコープ下での根管治療を自費でやっていたのだそうですが、一向に治らない、治療が進まない、説明もなく歯を抜かれた、インプラントは骨がないからできない等々、様々な不満を抱えて2年ほど前に来院されました。咬合や根管治療の予後不良、上顎両側臼歯部欠損など、多くの問題を抱えていましたが、シンラシステムによる咬合分析とそれに基づいた診査診断、建築士が図面に設計図を描くように、模型上に蝋で治療設計を具現化していきました。要再根管治療歯が2本あり、1本は治癒しましたが、もう1本は残念ながら予後不良で抜歯となりました。もともと存在していた根尖病変が比較的大きかったため、抜歯後の骨回復は十分でないと予想していました。既にほかの部分である天然歯の補綴、上顎臼歯部にインプラント治療をするうえで骨不足確認後、サイナスリフト(副鼻腔内造骨処置)を行い、その後のインプラント治療は終了しており、残る部分はここのみとなっていました。前歯は手を付けないでほしいとのことだったので完全とは言えませんが、ほぼフルマウスリコンストラクションのケースでした。
福岡で先月、水上哲也先生に教わった技術を早速活かすことができました。もともと歯周組織再生療法の手技上における考え方の変化を講義と実習で学ぶ形式でした。しかし、その手技は他の外科にも応用できることも動画で解説がありました。考え方と道具が変わったことで、より楽に、綺麗に、短時間での手術が可能になったのではないかと感じます。ストレスがだいぶ減ったと感じます。具体的には、以前は歯肉を骨から剥離するのに時間がかかったり(肉芽が複雑な骨欠損形態に入り込んでいる場合がある時など)、骨補填材やそれを覆う人工膜が露出しないように減張切開と言われれる切開を大きく入れる必要があったり(術後の腫れの原因となる)、歯肉がだぶつくような縫合形態が推奨されていた時代があり(きれいなオペに見えない)ましたが、今回学んだことで、その辺の部分がだいぶ解消されたのではないかと思いました。以前によく使用していたゴアテックス社の縫合糸ですが、同社が歯科業界から撤退の動きがあり、その縫合糸に代わるものが望まれていましたが、同セミナーの中で、国内のメーカーで、より使用感のいい糸が紹介されたので早速使い始めました。また基本となる切開に対する気の使い方、歯肉がきれいに寄り添う縫合の仕方など模型実習を通して理解を深めることができましたのが今回の実践に活きたのではないかと思います。お金と時間を使って学び、昨日までの自分よりも進化できる環境にいることに感謝し、日々精進したいと思います。

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