症例7(歯周組織再生療法、大臼歯圧下矯正、インプラントを施したケース)(東京大手町勤務歯科医の咬合再構成・全顎治療ブログ)

55歳女性、主訴「下のブリッジがグラグラ。欠損をインプラントで治療したい。歯周病の治療をしてほしい。」で来院されました。5本のインプラント、4か所の歯周組織再生療法、矯正用インプラントによる上の大臼歯圧下等を行いました。

上の前歯欠損は骨幅が足りなかったので造骨処置を行い(CT画像で上が術前、下が術後、左が水平断面、右が埋入部位の縦断面)、その後インプラントを入れました。

上顎大臼歯が下に下がってきていて、下のインプラントの被せものを作るスペースが不十分です。一番奥の歯は神経が既にとられているので被せもののやり替えで対応できますが、奥から2番目は神経がある歯で、スペース確保のために削ってしまうと神経をとらなければならないことが予想されました(写真左)。矯正用インプラントを使って、この歯を上に圧下し(写真中央)、歯を削ることなく下に入れたインプラントの被せものを作る十分なスペースを得ることができました(写真右)。

上の前歯の周囲の骨欠損に対して歯周組織再生療法を行いました。術中写真は左が骨欠損部を廓清したところで右は骨補填材を充填したところです。術前後のCT所見で骨のある程度の再生が認められました(赤い矢印)

上下の小臼歯周囲の骨吸収もある程度の骨再生が認められました。

上の大臼歯間にあった骨吸収もある程度の骨再生を認めました(CT画像)。術中写真で左上が骨吸収部を廓清したところ、右上がエムドゲインという薬を塗布したところ、右下が骨補填材を充填したところ、左下が縫合時です。

治療期間:約2年 費用:約250万円 リスク:メンテナンスを怠ると歯周病が進行する

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