歯を残すかどうかを決める時に、条件が良くないので長期予後は難そうだが、今抜歯するのはどうかと迷う場合があります。とりあえず、「使えるところまで使いましょう」ということになる場合があります。本ケースは残した歯の手前の欠損部にインプラントを望まれた患者さんで、骨が不足しているために副鼻腔内に骨を造るサイナスリフトを行いました。その際、将来を見越して、その時敢えて残した歯の上にも造骨範囲を広げておきました。その後、患者さんは大阪の大学で教授となられたため来院が途絶えました。約9年後東京に戻られ、その歯が動揺してきて抜歯となりましたが、予めそこにも造骨しておいたので比較的短期間でインプラント埋入ができました。
左から2番目の歯が歯根破折で抜歯となりました。
欠損部はインプラント希望でしたが骨が足りないのでサイナスリフト(副鼻腔内造骨術)を行いました。一番左側の歯も長期予後は難しいと考え将来を見越して、その場所まで造骨しました。
造骨手術から半年以上、骨が熟成するのを待ってインプラントを埋入しました。
3か月ほどインプラントと骨が結合するのを待って、被せものを装着しました。その後、大阪勤務となり来院が途絶えました。
約9年ぶり来院。一番左の歯が動揺してきて抜歯となりました。
予め造骨範囲を広げていましたので無事追加のインプラントが埋入できました。
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