歯周組織再生療法 根分岐部病変にリグロス応用例(東京大手町勤務歯科医の全顎治療・咬合再構成ブログ)

 大臼歯は複数の根があります。歯周病で歯を支えている周囲骨が吸収して根っこの又の部分までやられている状態を根分岐部病変と言います。本来、上顎の大臼歯が重度の根分岐部病変になってしまった場合は歯周組織再生療法の適応ではありません。このケースで敢えて行った理由は・・・

  • 手前の歯が欠損していて手術時に視界や器具操作を遮るものがない。
  • エビデンスレベルではないがリグロス(国産の歯周組織再生療法薬剤)とサイトランス(国産の骨補填材)の組み合わせが骨が再生しやすいという報告がある。
  • 患者さんには「難しいケースであり結局抜歯となる可能性が低くない」ことを了解していただいている。

術後半年でCT撮影の結果、完全ではないが骨欠損の改善が認められました。排膿がなくなり、動揺がおさまってきました。今後の問題点は・・・

  • メンテナンスがしずらい歯茎の形
  • ブリッジの支柱として耐えられるか

です。どのぐらい持つかは何とも言えません。排膿、動揺が収まっていたのでとりあえず保存しブリッジを再度行うこととしました。抜歯となった場合には手前にインプラントを入れる予定です。

ブリッジの支柱となっている大臼歯。根分岐部が露出しています(左)、歯肉を押すと排膿します(右)。
1.歯根の周りの骨が大きく吸収していました。2.廓清した後にリグロスを浸したサイトランスを填入。3.縫合直後。4.術後半年。排膿はなくなりましたが歯肉が大きく下がりメンテナンスがしずらい状態です。
上段が術前のCT,下段が術後半年です。根分岐部のある程度の骨欠損改善が認められました。
別の断面です。グリーンのラインの断面が左端の画像です。

まとめ

  • 重度の根分岐部病変に対しては歯周組織再生療法は基本的に積極的には推奨されていません(応用にあたっては慎重に)。
  • 経験レベルで下顎大臼歯の重度根分岐部病変には有効例が報告されています。
  • エビデンスレベルではないが、「リグロスとサイトランスの組み合わせが骨が再生しやすいのでは」という意見があります。
  • リグロスを使用した場合、術後1か月くらい腫れが続くことがあります。
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