反対咬合矯正中(患者さんの協力の下で行われる顎間ゴムの重要性)

 矯正治療を行う上で障害となる事はいくつかありますが、その一つに患者さんの口の中にセラミック冠が既に入っている場合があげられると思います。ブラケットといわれるワイヤーを通す装置を各歯牙に接着するのですが、セラミック冠にはブラケットが接着しにくい、すなわち外れてしまいやすいのです。できればプラスチックの仮歯に置き換え、ブラケットをつけることが望ましいのですが、セラミック冠は過去お金がかかっているので外したくない、やり替えたくないというのが本件の患者さんの心情としてあります。

 こちらの患者さんは「反対咬合をなおしたい」という主訴でお越しになりました。セラミック冠の部分を避けて天然歯のみブラケットをつけて何とか形になってきました。現在、歯の隙間を閉じたり、上下で緊密に咬み合うように調整中です。上下の隙間を閉じて咬み合うようにするには顎間ゴム(上下に引っ掛けるゴム)を食事の時以外、患者さん自身が装着する必要があります。1時間つけなかったら、その前の付けていた3時間が無駄になります。3時間付けていなかったら、その前の付けていた9時間が無駄になります。2日間さぼるとその前の6日間が無駄になります。すなわち何もしていないのと同じになってしまいます。治療が一向に進まないということになってしまいます。治療が順調に進むためにも患者さんの協力が不可欠です。

治療前(上)と治療中の右側面観です。下の歯が上の歯より前に出ていたのを(反対咬合)引っ込めました。下の奥から2番目はインプラントを入れました。
正面観です。正中のずれが修正されてきました。前歯が全く咬んでいなかったのが少しづつ機能するようになってきました。更に隙間を閉じていく操作をしています。
左側面観です。受け口がだいぶ修正されてきました。
顎間ゴムで上下を咬合させていきます。
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